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デジタルノマドビザとは? 要件・申請方法・注意点を行政書士がわかりやすく解説

デジタルノマドビザ

デジタルノマドビザとは?要件・申請方法・注意点を行政書士がわかりやすく解説

「海外に住む友人が『日本で半年リモートワークしたい』と言っている」「外国人の同僚に日本のノマドビザについて聞かれた」「海外のパートナーと日本でしばらく一緒に過ごしたい」――2024年にスタートした日本版デジタルノマドビザ(在留資格「特定活動」53号)は、こうした希望を叶える新しい制度です。

まだ新しい制度のため情報が少なく、当事務所にも「誰が使えるのか」「観光ビザと何が違うのか」というご相談が届き始めています。

この記事では、要件・申請方法・見落としがちな注意点まで、申請取次行政書士がまとめて解説します。

デジタルノマドビザとは ― 海外の仕事を持ったまま日本に6ヶ月住める

デジタルノマドビザは、海外の会社に雇われている(または海外の顧客を持つフリーランスの)IT人材などが、日本に滞在しながらリモートワークできる在留資格です。

正式には在留資格「特定活動」の告示53号で、2024年3月末に新設されました。

配偶者とお子さんも「特定活動54号」で一緒に滞在できます。

ポイントは「日本で働くためのビザ」ではなく「海外の仕事を日本でするためのビザ」だということです。

報酬の源泉はあくまで海外。日本国内の会社に雇われたり、日本の顧客から報酬を受け取ったりすることはできません。

取得の要件 ― 6つの条件を全部満たす必要があります

要件 内容
① 国籍・地域 ビザ免除国かつ日本と租税条約を結んでいる国・地域(2026年2月時点で49か国・地域。アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・韓国・台湾・シンガポール・オーストラリアなど)
② 年収 年収1,000万円以上(申請する本人個人の年収。フリーランスは売上ではなく経費を引いた利益で判断)
③ 活動内容 海外の雇用主から報酬を得るリモートワーク、または海外の取引先向けのフリーランス業務
④ 滞在期間 1年のうち6ヶ月まで。更新はできない(翌年に改めて申請することは可能)
⑤ 医療保険 滞在期間をカバーする民間医療保険に加入(死亡・傷害・疾病の治療費補償1,000万円以上)
⑥ 家族(帯同する場合) 配偶者・子は特定活動54号。本人と同様の保険加入が必要

 

よく誤解されるのは②の年収です。

「世帯年収」や「会社の売上」ではなく、申請者本人の年収で1,000万円(約7万米ドル前後)が必要です。

為替によって円換算額が変わる点にも注意してください。

観光(短期滞在)と何が違うのか

ビザ免除国の方は観光なら90日まで滞在できます。それとの違いは主に3つです。

・滞在期間 ― 90日ではなく最長6ヶ月。四季を通じて日本で暮らすような滞在ができます。

・就労の位置づけ ― 短期滞在中のリモートワークはグレーな扱いでしたが、ノマドビザなら海外業務のリモートワークが正面から認められます。

・家族 ― 配偶者・子も54号で堂々と長期帯同できます。

申請方法 ― 2つのルート

申請には2つの入口があります。

・ルート①:住んでいる国の日本大使館・領事館(在外公館)で申請してから来日する。

・ルート②:まず短期滞在(観光)で来日し、日本国内の出入国在留管理局に申請する。

ルート②は「まず日本に来て、気に入ったらノマドビザに切り替える」という柔軟な使い方ができ、日本国内の手続きなので申請取次行政書士がフルサポートできます。

主な必要書類は、申請書、パスポート、年収を証明する資料(雇用契約書・直近の課税証明・取引実績など)、滞在中の活動内容の説明資料、医療保険の証書(補償額がわかるもの)です。

年収と保険の「証明のしかた」がこの制度の勘所で、書類の整え方で審査期間が大きく変わります。

見落としがちな注意点5つ

・① 更新はできない ― 6ヶ月経ったら出国が必要です。

継続して日本に住みたい場合は、経営・管理ビザやスタートアップビザなど別の在留資格への切り替えを最初から設計しておくのが得策です。

・② 在留カードが交付されない ― ノマドビザでは在留カードが発行されず、住民票も作られない扱いとされています。

そのため日本の銀行口座の開設や通常の賃貸契約は難しく、住まいはマンスリーマンションやサービスアパートメントが現実的です。

・③ 税金 ― 滞在が183日以内で海外雇用主から受け取る給与は、租税条約により日本では課税されないケースが多いですが、国・契約形態によります。

本国の税理士等への確認をおすすめします。

・④ 保険の選び方 ― 「治療費1,000万円以上補償」を満たす商品は限られます。

海外旅行保険の長期タイプ等から要件を満たすものを選ぶ必要があります。

・⑤ 運転 ― 滞在中に車を運転するなら、ジュネーブ条約加盟国の国際運転免許証等が必要です。

「日本が気に入った」その先 ― 起業・長期在留への道

ノマドビザで半年暮らして日本が気に入り、「拠点を日本に移したい」と考える方も出てきます。

その場合の代表的なルートは、①スタートアップビザ(外国人起業活動促進事業)で起業準備をする、②経営・管理ビザで会社を設立する、③日本企業に就職して技術・人文知識・国際業務ビザを取る、の3つです。

なお経営・管理ビザは2025年10月から要件が大きく厳格化されています(資本金3,000万円以上など)。

長期在留を見据える方は、ノマドビザの段階から出口の設計をしておくことを強くおすすめします。

よくある質問(FAQ)

・Q1.6ヶ月の後、延長はできますか? ― A.更新はできません。いったん出国し、翌年に改めて申請することは可能です。長期滞在をご希望なら別の在留資格への切り替えを検討します。

・Q2.日本の会社の仕事を少しだけ受けてもいいですか? ― A.できません。報酬の源泉は海外に限られます。日本の顧客と取引したい場合は、経営・管理ビザ等の別の在留資格が必要です。

・Q3.家族だけ日本に残ることはできますか? ― A.できません。54号はノマド本人(53号)の滞在が前提です。

・Q4.年収1,000万円は夫婦合算でもよいですか? ― A.申請者本人単独の年収で判断されます。夫婦それぞれが要件を満たせば、それぞれ53号で申請する方法もあります。

まとめ ― 新しい制度こそ、書類の整え方で差がつきます

デジタルノマドビザは始まったばかりの制度で、審査実務も発展途上です。

だからこそ、年収・保険・活動内容の証明書類をどう整えるかで結果とスピードが変わります。

当事務所は申請取次行政書士として、日本国内での申請(ルート②)をオンライン・英語対応でサポートしています。

海外のご友人・ご家族・同僚の方への情報提供もお気軽にどうぞ。

 

▶ デジタルノマドビザの無料相談はこちら(https://zippy-g.com/inquiry)

(2026年8月11日時点の情報です。対象国・要件の詳細は出入国在留管理庁の最新情報をご確認ください。)

著者:煙山光宏(ジッピー行政書士事務所 代表/申請取次行政書士)。

重機土工の建設会社を17年経営した経験を持つ行政書士。

さいたま市大宮区。