経審(経営事項審査)とは?点数の仕組みと公共工事デビューまでの流れを社長向けに解説
「そろそろ公共工事に挑戦したい」と思ったとき、必ず通るのが経審(経営事項審査)です。
下請の仕事は元請との信頼関係で取れますが、公共工事は点数で決まる世界。
その点数表が経審です。
この記事では、経審の点数の仕組みと、公共工事の入札に参加するまでの流れを、建設会社を17年経営した行政書士が「社長向けの言葉」で解説します。
経審とは ― 会社の力を点数にした「成績表」
経審は、建設業者の経営状況・経営規模・技術力・社会性を審査して点数化する制度です。
国や自治体は、この点数(総合評定値=P点)をもとに業者を格付けし、入札に参加できる工事の規模を決めます。
公共工事を元請で受注したいなら、経審を受けていることが大前提になります。
公共工事デビューまでの4ステップ
| 順 | 手続き | ポイント |
| 1 | 決算変更届の提出 | 経審は決算内容をもとに審査するため、毎年の決算変更届が出ていることが前提(未提出なら先にそちらから) |
| 2 | 経営状況分析の申請 | 国に登録された分析機関に決算書を送り、経営状況(Y点)の分析結果をもらう |
| 3 | 経審(経営規模等評価)の申請 | 許可行政庁に申請。結果として総合評定値(P点)の通知書が届く |
| 4 | 入札参加資格審査の申請(指名参加願) | P点の通知書を添えて、工事を受けたい国・自治体ごとに申請。名簿に登載されて初めて入札に参加できる |
経審の結果の有効期間は審査基準日(決算日)から1年7ヶ月です。
継続して入札に参加するには、毎年決算のたびに受審する必要があります。
点数(P点)の仕組み ― 5つの要素でできている
| 記号 | 中身 | 社長向けの翻訳 |
| X1 | 完成工事高 | 売上の規模。業種ごとに評価 |
| X2 | 自己資本額・平均利益額 | 会社の体力。内部留保と利益 |
| Y | 経営状況 | 財務の健全性。借入や利益率などの8指標 |
| Z | 技術力 | 技術職員の数と資格、元請完成工事高 |
| W | 社会性ほか | 社会保険・退職金制度・防災協定・CCUSの活用状況など加点項目の集合 |
大事なのは、点数は「操作」ではなく「経営改善の結果」として上がるものだということ。
それでも、知っているだけで取れる点を取りこぼしている会社は多いです。
評点アップの視点(合法的に取れる点を取る)
- 技術職員の資格取得を計画的に進める(Z点。資格手当より安い投資はありません)
- 社会保険の完備・退職金制度(建退共等)の導入(W点)
- CCUSの事業者登録・技能者登録とレベル判定(W点の加点対象。詳しくは関連記事へ)
- 防災協定への参加、法令遵守の徹底(W点)
- 決算の組み方(利益計上・自己資本の充実)は税理士と連携して中期で設計
費用の目安
- 経営状況分析:分析機関の手数料が1万数千円程度+当事務所の申請サポート4万円(税抜)
- 経審:行政庁の手数料が業種数に応じて数万円+当事務所の報酬10万円(税抜・1業種1年)〜
- 入札参加資格審査(指名参加願):当事務所4万円(税抜)〜(自治体数・電子申請の要否による)
よくある質問(FAQ)
- Q1.小さな会社でも公共工事は取れますか? ― A.取れます。自治体の工事は点数帯で発注ランクが分かれており、小規模工事は小規模業者向けに発注されます。地元の修繕・維持工事からのデビューが現実的です。
- Q2.経審は毎年受けないとだめですか? ― A.継続して入札に参加するなら毎年必要です(有効期間1年7ヶ月)。決算→分析→経審→(必要な年に)指名参加という年間サイクルに組み込むのが基本です。
- Q3.何点あれば指名されますか? ― A.自治体・工種・発注ランクによって異なるため一概には言えませんが、狙う自治体の格付基準は公表されています。目標点から逆算した改善計画づくりをお手伝いします。
まとめ ― 経審は「毎年の積み重ね」の延長にある
経審は特別な儀式ではなく、毎年の決算変更届の延長にある手続きです。
当事務所では、決算変更届・経営状況分析・経審・指名参加願をセットの年間スケジュールでお引き受けし、公共工事デビューまで伴走します。
元請営業に頼らない売上の柱を作りたい社長は、初回相談60分無料でご相談ください。
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(2026年7月20日時点の情報です。)
著者:煙山光宏(ジッピー行政書士事務所 代表/申請取次行政書士)。
重機土工の建設会社を17年経営した経験を持つ行政書士。
さいたま市大宮区。
