決算変更届を出し忘れたら?更新できなくなる前に5年分まとめて出す方法と費用
「決算変更届?そんな書類、出したことがない」――建設業許可を取ったあと、5年後の更新のときに初めてこの書類の存在を知って青ざめる社長は、実はとても多いです。
結論から言います。
決算変更届(正式には事業年度終了届)は、建設業許可を持つすべての業者が毎年提出しなければならない書類です。
そして出し忘れたままだと、許可の更新が受け付けてもらえません。
ただし、今から過去の分をまとめて提出すれば解決できます。
この記事では、建設会社を17年経営してきた行政書士が、出し忘れの影響と、まとめて提出する具体的な方法・費用を解説します。
決算変更届(事業年度終了届)とは ― 毎年の提出義務です
決算変更届とは、建設業許可業者が毎事業年度の終了後4ヶ月以内に、許可行政庁(埼玉県知事許可なら県の窓口)へ提出する報告書類です。
会社の決算とは別に、建設業法で定められた様式で「この1年、どんな工事をして、財務状況はどうだったか」を報告します。
3月決算の会社なら、期限は毎年7月末です。
提出する主な書類は次のとおりです。
- 工事経歴書(業種ごとに、その年度の工事実績を記載)
- 直前3年の各事業年度における工事施工金額
- 財務諸表(決算書を建設業法の様式に組み替えたもの)
- 事業報告書(株式会社の場合)
- 納税証明書(法人事業税など)
税理士が作る決算書をそのまま出せばよいわけではなく、建設業法の様式への組み替えが必要です。
この「ひと手間」があるために、後回しになりやすい書類でもあります。
出し忘れるとどうなる?4つのリスク
「今まで出していないけれど、何も言われていない」という会社も少なくありません。
しかし放置のリスクは確実に積み上がっています。
- ①許可の更新ができない:5年ごとの更新申請は、未提出の決算変更届がすべて揃っていないと受け付けてもらえません。更新期限の直前に慌てて5年分を作ることになり、期限に間に合わなければ許可は失効します。
- ②経営事項審査(経審)を受けられない:経審は決算変更届の提出が前提です。公共工事への参入を考えたとき、入口で止まります。
- ③業種追加などの申請ができない:業種追加や般特新規などの申請も、決算変更届が揃っていないと進められません。
- ④法律上は罰則の対象:建設業法には届出を怠った場合の罰則(懲役・罰金)の規定もあります。実務上いきなり適用されることは多くありませんが、「法律違反の状態」であることに変わりはなく、許可行政庁からの指導対象になります。
さらに見落とされがちなのが、元請や金融機関からの見え方です。
許可業者の提出状況は行政庁で閲覧できるため、「毎年きちんと出している会社かどうか」は、取引先が確認しようと思えば確認できます。
出し忘れていた場合の解決方法 ― 過去の分はまとめて提出できます
安心してください。
決算変更届は、過去の未提出分をまとめて提出することができます。
手順は次のとおりです。
- 【手順1】未提出の年度を確認する ― 許可を取得(更新)した年から現在までに、何期分が未提出かを整理します。
- 【手順2】年度ごとに書類を作成する ― 5年分まとめてでも、書類は1年度ずつ作成します。各年度の決算書・工事の請求書などから、工事経歴書と財務諸表を年度ごとに組み立てます。
- 【手順3】まとめて提出する ― 揃った書類を許可行政庁へ提出します。埼玉県の場合、窓口への持参または郵送で提出できます。
ポイントは、古い年度の資料(決算書・工事台帳・請求書)を揃えられるかどうかです。
資料が散逸していると工事経歴書の作成に時間がかかるため、更新期限が近い会社ほど早めの着手をおすすめします。
費用はいくら?自分でやる場合と行政書士に頼む場合
| 方法 | 費用の目安 | 備考 |
| 自分で作成・提出 | 0円(実費のみ) | 行政庁への提出手数料は不要。ただし様式の組み替え・工事経歴書の作成に慣れないと1期分で数日かかることも |
| 当事務所に依頼 | 1期分 50,000円(税抜)〜 | 2業種目からは1業種につき4,000円追加。複数年まとめてのご依頼は年度数分×上記が基本(資料の状況によりお見積り) |
当事務所では、着手前に必ず総額をお見積りし、ご承諾後に作業を開始します。
「まず何期分が未提出か分からない」という段階のご相談でも大丈夫です。
今後出し忘れないために
決算変更届は「決算から4ヶ月以内」と期限が決まっているため、税理士の決算作業と同じ年間スケジュールに組み込んでしまうのが確実です。
当事務所では、ご依頼いただいたお客様の決算期を台帳で管理し、毎年こちらから「そろそろ決算変更届の時期です」とご案内しています。
5年に1度の更新も、期限の6ヶ月前にお知らせします。
よくある質問(FAQ)
- Q1.何年分までさかのぼって提出できますか? ― A.年数の上限はありません。許可取得以降の未提出分をすべて提出します。更新をまたいでいる場合など複雑なケースは、状況を伺ったうえで整理します。
- Q2.赤字決算でも提出しないとだめですか? ― A.はい。決算の内容にかかわらず提出義務があります。赤字だから許可が取り消されるということはありません(更新時の財産要件とは別の話です)。
- Q3.決算書や請求書の一部がなくても作れますか? ― A.残っている資料からの復元を検討します。税理士に決算書の控えが保管されていることも多いため、まずは資料の所在確認からお手伝いします。
まとめ ― 更新期限から逆算して、今すぐ確認を
決算変更届は毎年の提出義務であり、出し忘れたままだと許可の更新ができません。
しかし、過去の分はまとめて提出でき、資料さえ揃えば必ず解決できる問題です。
怖いのは、更新期限の直前に発覚することだけです。
「うちは何期分出ていないんだろう?」と思ったら、まず許可通知書(または許可証の有効期限)をご確認のうえ、お気軽にご相談ください。
初回相談は60分無料です。未提出の期数の確認から、費用のお見積りまで、その場でお答えします。
▶ 無料相談のお申し込みはこちら(https://zippy-g.com/inquiry)/建設業サポートの料金表はこちら(料金ページへリンク)
(2026年7月20日時点の情報です。手続き・様式は許可行政庁により異なる場合があります。)
著者:煙山光宏(ジッピー行政書士事務所 代表/申請取次行政書士)。
重機土工の建設会社を17年経営した経験を持つ、建設業専門の行政書士。
さいたま市大宮区。
