建設業許可の要件5つをわかりやすく解説|取れるか5分でわかるチェックリスト付き
「元請から『許可を取ってくれ』と言われた」「500万円以上の工事を受けたい」――建設業許可を考え始めた社長が最初にぶつかるのが、「うちは要件を満たしているのか?」という疑問です。
結論から言うと、建設業許可の要件は大きく5つ。
そのうち実際のハードルになるのは、ほぼ「①経営業務の管理責任者」と「②専任技術者」の2つです。
この記事では、建設会社を17年経営した行政書士が、5つの要件を現場の言葉で解説し、最後に自社で確認できるチェックリストを付けました。
建設業許可の要件は5つ ― まず全体像
| 要件 | ひとことで言うと | 難易度 |
| ① 経営業務の管理責任者(経管) | 建設業の経営経験5年以上の人が役員にいる | ★★★ |
| ② 専任技術者 | 資格者か実務経験者が営業所に常勤している | ★★★ |
| ③ 誠実性 | 不正・不誠実な行為をするおそれがない | ★ |
| ④ 財産的基礎 | 自己資本500万円以上、または500万円の資金調達能力 | ★★ |
| ⑤ 欠格要件に該当しない | 役員に一定の前歴等がない+社会保険に加入している | ★★ |
以下、順に見ていきます。
要件① 経営業務の管理責任者 ― 「経営経験5年」をどう証明するか
法人なら常勤の役員のうち1人が、個人事業なら事業主本人が、建設業の経営経験を5年以上持っていることが基本形です(2020年10月の法改正により、経験を持つ常勤役員を補佐体制で支える形など、認められるパターンは広がっています)。
実務でつまずくのは「経験があるか」ではなく「経験を書類で証明できるか」です。
役員だった期間は登記簿で、事業を営んでいた実態は確定申告書や工事の契約書・請求書で証明します。
個人事業主時代の経験も、確定申告書が残っていれば合算できます。「書類が残っているか」が勝負どころです(詳しくは別記事で解説予定)。
要件② 専任技術者 ― 資格がなくても実務経験10年で足りる
営業所ごとに、許可を受けたい業種の技術者を常勤で置く必要があります。認められるルートは3つです。
- 国家資格ルート:施工管理技士(2級以上)など、業種に対応する資格を持っている
- 実務経験ルート:その業種の実務経験10年以上(資格不要)
- 学歴+実務ルート:指定学科の卒業+実務経験3年または5年
「資格者がいないから無理だ」と諦める会社が多いのですが、実務経験10年ルートで取れるケースは珍しくありません。
証明には過去の工事の契約書・注文書・請求書などを年数分積み上げます。ここも証明資料の準備が実務の8割です。
要件③ 誠実性 ― 通常は問題にならない
請負契約に関して詐欺・脅迫など不正な行為をするおそれが明らかな場合は許可されない、という要件です。
普通に営業してきた会社が引っかかることはまずありません。
要件④ 財産的基礎 ― 自己資本500万円か、残高証明500万円
一般建設業の場合、次のどちらかを満たせばOKです。
- 直前の決算で自己資本(純資産合計)が500万円以上ある
- 金融機関の残高証明書などで500万円以上の資金調達能力を示せる
自己資本が足りなくても、申請直前に口座残高が500万円以上ある時点の残高証明書が取れれば要件を満たせます。
タイミングの工夫で解決できることが多い要件です。
要件⑤ 欠格要件と社会保険 ― 意外な落とし穴
役員等が一定の前歴(許可取消しから5年以内、一定の刑罰から5年以内など)に該当すると許可されません。
あわせて、健康保険・厚生年金・雇用保険の加入が許可の要件になっています。
社会保険に未加入の場合は、許可申請の前に加入手続きが必要です(社会保険の手続き自体は社会保険労務士の分野のため、提携先をご紹介します)。
5分でできるセルフチェックリスト
次の質問に答えるだけで、自社の現在地がわかります。
- □ 建設業の経営経験(役員・個人事業主)が5年以上ある人が社内にいる
- □ その期間を登記簿・確定申告書などの書類で証明できる
- □ 取りたい業種の資格者がいる、または実務経験10年の人がいる
- □ その実務経験を契約書・請求書などで証明できる
- □ 自己資本500万円以上、または口座残高500万円以上を用意できる
- □ 役員に欠格要件に該当する人がいない
- □ 健康保険・厚生年金・雇用保険に加入している(または加入予定)
すべてに☑が付けば、許可取得の可能性はかなり高い状態です。
☑が付かない項目があっても、書類の掘り起こしや準備の工夫で解決できる場合が多いので、諦める前にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
- Q1.申請から許可まで何日かかりますか? A.埼玉県知事許可の場合、申請受付から許可までの標準処理期間はおおむね1〜1.5ヶ月です。書類準備の期間を含めると、ご相談から2〜3ヶ月を見込んでください。
- Q2.費用はいくらかかりますか? A.知事・一般の新規申請で、県に納める手数料が9万円、当事務所の報酬が17万円(税抜)〜です。総額を着手前に必ずお見積りします。
- Q3.一人親方でも許可は取れますか? A.取れます。個人事業主として経営経験と技術者要件(本人が兼ねてOK)を満たせば申請可能です。法人化のタイミングとあわせてご相談ください。
まとめ ― ハードルは「経験の証明」。書類の掘り起こしから始めよう
建設業許可の要件は5つですが、実際の勝負は経管と専任技術者の「証明書類」を揃えられるかどうかです。
逆に言えば、書類さえ掘り起こせれば、資格者がいなくても許可が取れる会社はたくさんあります。
当事務所では、チェックリストの結果をもとに「取れるか・いつ取れるか・何が足りないか」を無料診断しています。
初回相談は60分無料。ダメな場合も「いつになれば取れるか」まで必ずお伝えします。
▶ 無料相談・許可要件の診断はこちら(https://zippy-g.com/inquiry)/建設業サポートの料金表はこちら(料金ページへリンク)
(2026年7月20日時点の情報です。要件の細部は許可行政庁の手引きをご確認ください。)
著者:煙山光宏(ジッピー行政書士事務所 代表/申請取次行政書士)。
重機土工の建設会社を17年経営した経験を持つ、建設業専門の行政書士。
さいたま市大宮区。
