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【周知】建設業の働き方改革等の実現に向けた取組の実施について

建設業働き方改革

建設業の働き方改革と安全・契約制度の最新動向【2024〜2027年対応まとめ】

2024年から、建設業界では歴史的とも言える働き方改革が本格化しました。

時間外労働の上限規制が適用され、国土交通省・厚生労働省による「工期に関する基準」「労務費に関する基準」「建設業法改正」などが矢継ぎ早に施行。

さらに、2026年〜2027年にかけては、安全衛生法やストレスチェック制度の義務化まで視野に入れた制度整備が進んでいます。

この記事では、現場の企業や管理者が押さえるべきすべての改正ポイントを、テーマ別に詳しく解説します。


1. 時間外労働の上限規制が建設業にも適用(2024年4月〜)

労働基準法の改正により、建設業にも以下の上限が導入されました:

  • 原則:月45時間・年360時間
  • 特別条項あり:年720時間、複数月平均80時間以内、単月100時間未満

これにより、「繁忙期は長時間労働で対応」といった従来の慣行は通用しなくなり、契約段階からの工期見直しが必須となっています。


2. 「工期に関する基準」(令和6年3月改定)

国土交通省は「工期に関する基準」を大幅に改定し、発注者・受注者双方に適正な工期設定と見積もり尊重を求めています。

主なポイント:

  • 自然要因(猛暑・降雨・降雪)の不稼働日を考慮
  • 技能者の移動時間も労働時間として扱う
  • 現場の設計条件・資材納入遅延・関係機関との調整なども工期算定に含む
  • 勤務間インターバル・交代勤務制の導入事例も紹介

基準では、短すぎる工期は契約変更の対象となり、労働基準法違反を誘発するような工程は是正されるべきとされています。


3. 改正建設業法(令和6年法律第49号/2025年12月施行)

この改正では、発注者・元請企業・下請を問わず、契約・見積・価格転嫁に関する新たなルールが明文化されました。

改正の柱:

  • 労務費・資材費・エネルギー費の変動を契約変更の法定根拠とする
  • 「労務費に関する基準」に基づき、技能者に適正な賃金原資を確保
  • 発注者は、著しく低い見積りを強要することが禁止
  • 受注者は見積書に費用内訳を明示する義務が強化

これにより、賃金・労働時間・契約内容が透明化され、持続可能な請負構造の構築が始まっています。


4. 「労務費に関する基準」の導入と実効性の確保

国土交通省が定めた「労務費に関する基準」は、以下を目的としています:

発注から技能者に至るすべての契約段階で、経験・技能に応じた「適正な労務費(賃金原資)」を確保すること。

内容の概要:

  • 見積書に労務費内訳を明記することを推奨
  • 職種別・分野別に基準額を設定し公表
  • 「自主宣言制度」により処遇改善企業を可視化
  • 「通報制度」「コミットメント制度」による適正支払いの担保
  • 公共工事での労務費上乗せ措置も強化

この基準を基に、発注者・元請は適正な賃金支払い体制を構築する責任を持ちます。


5. 災害時の時間外労働:第33条・139条の適用と違い

比較項目 労基法第33条第1項 労基法第139条第1項
対象 災害などの臨時対応(除雪・防疫など) 復旧・復興事業
手続 許可申請または事後届出 36協定の届出
上限規制 適用外 上限規制あり(720hなど)

即応性が求められる初動作業には第33条、復旧段階の工事には第139条というように、作業の目的・時期に応じて制度を正しく使い分けることが重要です。


6. 安全衛生対策の法改正(2026〜2027年段階的施行)

労働安全衛生法および作業環境測定法が大幅に改正され、以下のような対策が義務化されます:

(1)個人事業者の安全衛生保護(2025年5月14日施行)

  • 労働者と同じ場所で働く個人事業者等も保護の対象に追加
  • 建設業以外でも、注文者は作業方法・工期等への配慮義務

(2)混在作業場所での措置拡大(2026年4月〜)

  • 元方事業者が個人事業者にも指導・調整義務を負う
  • 災害防止措置は、貸与機械・施設についても対象拡大

(3)業務上災害報告制度の創設(2027年1月〜)

  • 個人事業者の災害も、厚生労働省への報告対象に
  • 報告様式・手続きは今後政令で詳細化

(4)個人事業者への直接義務化(2027年4月〜)

  • 安全装置のない機械の使用禁止
  • 特定機械の自主検査義務
  • 有害作業時の安全教育受講義務

7. (新)作業場所管理事業者への連絡調整義務(2027年4月〜)

  • 管理者(自社or請負人)の誰かが危険・有害な業務を行う場合、→ 管理者は作業間の連絡調整や安全措置の実施が義務

この義務化により、現場の“責任所在”が明確になり、災害リスクの分散が可能になります。


8. メンタルヘルス対策の義務化(2027年までに段階的施行)

ストレスチェック制度も見直され、50人未満の事業場にも義務化される予定です。

  • 高ストレス者への面接指導の実施が義務
  • 地域産業保健センター(地さんぽ)を中心に、医師の受け皿体制を整備中
  • 実施マニュアル・支援ツールの整備も進行中

働き方改革に加え、メンタルヘルスの管理も“経営責任”として制度化されます。


9. 化学物質による健康障害防止(2028年までに施行)

  • 化学物質提供時のSDS(安全データシート)交付を厳格化
  • 通知違反に対して罰則規定を新設
  • 内容変更時の再通知義務も法制化

現場で化学物質を取り扱う事業者は、法改正に先んじた体制構築が必要です。


10. 最新制度の確認・支援ツール

制度対応のために以下の情報ポータルを活用しましょう:


【まとめ】法改正はゴールではなく、現場改革の“スタート”

制度は整いました。

これから重要なのは、「現場でどう実行するか」です。

  • 発注者は、適正な工期・賃金を保証する契約設計
  • 受注者は、違法な工程・価格にならない見積もりと説明
  • 現場責任者は、安全衛生とメンタルヘルスの両立管理

これらすべてを一体として実行してこそ、真の働き方改革=未来の建設業の基盤が築かれます。